大泉洋が号泣した映画『ママをやめてもいいですか!?』完成披露試写会レポート

子育てには悩みや不安がつきもの。

「子どもは愛おしいけれど、自分の時間だって大切にしたい」

「どうしてママの大変さに周りは気づいてくれないのだろう」

そんな多くのママが悩む子育てをテーマにしたドキュメンタリー映画「ママをやめてもいいですか!?」が2月末から、東京・新宿のシネマカリテなどで公開されます。

産後うつの経験のあるママたちにインタビューを重ね、男性側の意見も聞きながら、子育ての大変さや家族の絆を描いたこちらの作品。ナレーションはご自身も父親として子育てをされている俳優の大泉洋さんが担当されました。

父として、夫として、大泉洋さんはこの映画をどのようにご覧になったのでしょうか。大いに盛り上がりをみせた監督の豪田トモさんとのトークセッションをお伝えいたします!

監督/豪田トモ

1973年、東京都多摩市出身。中央大学法学部卒。6年間のサラリーマン生活の後、映画監督になるという夢を叶えるべく、29歳でカナダ・バンクーバーへ渡り4年間、映画製作の修行をする。在カナダ時に制作した短編映画は、日本国内、バンクーバー、トロント等数々の映画祭にて入選。帰国後はフリーランスの映像クリエイターとして、テレビ向けドキュメンタリーやプロモーション映像などを制作。

俳優/大泉洋

演劇ユニットTEAM NACSのメンバー。北海道テレビ「水曜どうでしょう」で人気を博したことを機に、全国放送のドラマにも多数出演を果たす。第41回日本アカデミー賞(2018年)「探偵はBARにいる3」最優秀主演男優賞、第39回(2016年)「駆込み女と駆出し男」優秀主演男優賞、第35(2012年)「探偵はBARにいる」主演男優賞など、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を数回に渡り受賞。


あんなに感動したことは近年なかった

「日本の子育てを本気で変えたい!」と本作品を制作した監督の豪田トモ氏

監督:2月末から全国で順次公開される映画「ママをやめてもいいですか!?」は、ママの子育てをテーマにした作品です。私は子育てというものは、旦那さんがいらっしゃったら一緒に取り組むべきものだと考えています。だからこそナレーターは男性にお願いしたいと考えていましたし、明るくポップで笑える映画を目指していたので、大泉洋さんにナレーションを依頼させていただきました。

大泉:実は妻に誘われて監督が以前手がけた作品「うまれる ずっと、いっしょ。」を観たことがあったのですが、つい映画館で涙を流してしまうほど素晴らしいものでした。ナレーションを担当させていただくきっかけになったのは、監督と知り合いだった妻から「新しい映画のナレーターを探しているらしいよ」と話を聞いたこと。スケジュール的には他の作品の撮影もあり厳しかったのですが、またとない機会ということで引き受けさせていただきました。


司会:完成した映画を観て、ご感想はいかがでしたか?

大泉:映画では想像していた以上に、ぐっと心に迫ってくるシーンがありましたね。特に母親の愛情をうけずに育った女性がママとして葛藤しているストーリーを描いたエピソードは、胸にきました。僕には計り知れない経験を目の当たりにして、号泣してしまいましたね。あんなに感動したことは近年なかったと思います。家族関係というものは前提として当たり前なものは何ひとつないのだなと、改めて感じました。

監督:私は日本の子育てを本気で変えたいと願い、使命感にかられてこの映画を作成しました。色々なママの話をきくと、子育てというのは本当に大変で、一筋縄ではいかないものと実感しましたね。そのうえ子どもを育てるという重責をひとりで抱えていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。ママはひとりじゃないと伝えたいですし、子育てはみんなでやるものだと考えていきたい。なんとか日本の子育てが今よりも良い風に変わって、少しでも安全な国や社会につながってほしいなと願っています。

大切にしているのは、無性の愛を子どもに伝えること

2月29日より新宿シネマカリテを皮切りに全国ロードショー

司会:お子さんとの接し方で気を付けていることはございますか?

大泉:私がどれだけ子どものことを好きかというのが、子どもにきちんと伝わればいいなと考えて日々接しています。自分が子どもにしてあげられるのは、とにかく無性に愛を伝えることだと思っていて。小学校に入学するまでの6年間は、大好きなゴルフにも一度も行きませんでしたね。自分の趣味の時間を削ったとしても、子どもとの時間を大切にしたいと思っていました。

司会:運動会の予備日まで休みを取られるとお聞きしました。

大泉:そうですね。予備日も仕事は絶対休みます。私が雨男なので、予備日も休んでおいた方が安心なのです(笑)。

司会:お子さんから嫌がられたりはしませんか?

大泉:幸いにしてまだそういう年齢ではありません。僕にとっての娘は、いわば「時限つき」なんですよね。きっと反抗期にもいつか入ってしまうと思うので、今はとにかくできるだけ一緒に過ごして、娘の愛情を貯めています。娘と一緒にいる時はなるべく抱っこをして「どうしてそんなに可愛いの?」「こんなに可愛いなんて、罪だと思う」などと、たくさん声をかけています。

監督:僕は娘が生まれてから半年間、4歳の時にも半年ほど育休を取りました。子育ては夫婦2人で協力してやるものだと思っていますし、奥さんにもしっかり休んでほしいと考えていたからです。週に1回は「パパナイト」を設けて、一緒に遊びに行ったり料理を作ったりしていましたね。

子育てはうまくできなくて「当たり前」

会場が笑いに包まれたトークショーの様子

司会:ご家庭内で大事にされていることを教えてください。

監督:話を聞くというのは、大切な愛情表現かなと感じています。ただ「愛してるよ」と伝えるだけでなく、相手の話を聞いて、相手を受け止めることがとても大切です。とはいっても、きちんと「好きだよ」と言葉でも愛情を表現するようにしていますね。妻はいつも私のことを受け止めてくれますし話をたくさん聞いてくれるので、大変感謝しています。

大泉:たしかに相手に話を聞いてもらえるだけで、心がすっとするものですよね。話を親身になって聞いてもらって、とにかく味方になってくれるだけで嬉しいです。私自身も悩みに対して具体的な答えは求めていません。「そうなんだ、大変だね。よしよし」と言ってくれるだけでいいですね。うちの家庭では妻がとても自立した立派な女性なので、教育などは任せきりです。子どもが生まれた時も特に話し合いはせず、妻が会社を休み子育てに専念してくれました。やっぱりママの大変さというのは、男の僕にはわからない部分があるのだと思います。

監督:パパの方も子育てをしたいと思っていても、なかなか仕事が忙しいことも多いですよね。とにかく重要なのは子育てに関わるみなさんに「あなたはひとりじゃないよ」と伝えて、子育ては皆でやるものだと少しづつ意識を変えていくことではないかなと考えています。

大泉:この映画を通じて、世の中のママたちがどれだけ大変かというのがきっとわかるはずです。だからこそ子育て中は多くの人に助けてもらいながら、うまくできなくて当たり前だと思ってほしいです。そうはいっても、お一人で子どもを育てなくてはいけない境遇にいる方もいらっしゃると思います。そうなると欠かせないのは、やはりまわりのサポートです。私自身もできることがあれば行動していきたいですし、少しでも楽しく子育てがしやすい社会になるといいなと願っています。