妊活はいつ始める?初めて気づいた夫との価値観に対する大きなギャップ

子どもが欲しい。

結婚したら、多くの夫婦が思うことだろう。しかし、子どもを授かるタイミングが、夫婦で一致するか、といったらどうだろうか。

少し前までは、妊娠・出産をすると女性が仕事をセーブする、もしくは一時的に専業主婦になることを選択することが多かった。

一方で平成最後の現代では、妊娠・出産しても仕事を続けるのはもちろん、キャリアアップをしていきたい、と考える女性の割合も増えてきた。

働き盛りに親になる人が増えている今、キャリアアップのタイミングと重なる人も多いであろう。目の前に仕事のチャンスが巡ってきたとき、女性は妊娠・出産のためにそれを諦めないといけないのかー。

今回は結婚して1年が経ち、プライベートも仕事も充実し、マネージャーへの昇格を目指している働き盛りの満里奈27歳のエピソードを紹介しよう。


夫婦で同じだと思っていた、子育てへの価値観

満里奈は、新卒で急成長を続けるメガベンチャーへ入社した。若手にもたくさんのチャンスが回ってくる環境で、男女年齢関係なく活躍の場がある。入社6年目の満里奈も、大きなプロジェクトを任され、仕事にのめり込んでいた。

プライベートはというと、26歳のときに結婚。夫は、新入社員時代、仕事に奔走するもなかなかうまくいかない時によく相談に乗ってくれていた、2歳上の大学時代の先輩。

結婚後も仕事を応援してくれていて、時にはキャリアにおけるアドバイスもくれる、そんな公私ともによきパートナー。しかし、ある話をし始めたことで状況が少し変わってきた。

 

それは「妊活」の話題だ。

夫が子ども好きなことは、もちろん知っていた。

ただ、「いつまでには欲しいね」という具体的な話は、結婚前にしたことはなかったのだ。

「結婚したし、そろそろ子どもつくろうか?」

突然、夫から問いかけられた満里奈は戸惑った。もちろん彼との子は欲しい。30歳までには欲しいな、そんな漠然としたビジョンはあった。しかし、「今」ではない。

 

満里奈が発した言葉は、少し待って欲しいーー。

満里奈が告げたその一言は、彼にとって納得できないものだった。

 

今すぐにでも子どもが欲しい。

身体的なことをリスク含めて考えると、早いに越したことはない。

親も若いわけでもないし早く孫の顔を見せたい。


彼が並べる理由は、最もなものばかりだった。

しかし、彼の頭になかったのは、満里奈の今後のキャリアに関すること。

現在、大きいプロジェクトの真っ只中にいる満里奈。このプロジェクトがローンチするのは、一年後だ。いま仮に妊娠したら、体調が優れずメンバーに迷惑をかけるかもしれない。それにローンチを見守ることもできないのではないか…。



さらに強い不安を抱いていたことが…それは、夫の職場環境だ。

夫の勤める会社では、妻側が専業主婦の人がほとんどで、女性社員も妊娠・出産したら退職する人が多く、出産後も仕事を続ける女性が社員たちの周りにほとんどいない、そんな環境だった。

それを見ていたからこそ、「自分が妊娠・出産する前に、出来る限りキャリアアップをするんだ」という満里奈の強い意志があったのだ。

妊活まであと一年…いや、あと二年は必要。そう考えた満里奈は、夫婦生活と自分のキャリアの歩み寄りをするために

「プロジェクトが終わるまで、あと一年待って欲しい」

そう伝えた。仕事への理解もあり、キャリアアップも応援してくれているはずの夫が、しばらく口を聞いてくれなかった。

 

妊活前に、子育てと仕事の両立を追求

それから一年後、マネージャーへの昇格のチャンスが訪れた。満里奈は新卒時代から、ここへのステップが自分のキャリアにとって大きな一歩だ、そう思っていた。

実は、二年前にも昇格のチャンスが少し見えたことはあったが、チーム内での相対評価でそれは叶わなかった…。それからの満里奈は、やれることはなんでもやろうとがむしゃらに実績を積み上げてきたのだ。それを評価してもらえたと思うと、満里奈は嬉しくて仕方なかった。



しかし昇格のチャンスがきた今、すぐに妊娠はできない。夫に伝えていたリミットは過ぎている。自分の気持ちを封じ込めたまま、後悔を残して妊活を始めるのも嫌だった。

申し訳ない気持ちで心苦しかったが、意を決して、満里奈は夫に正直に今の状況や自分の考えを全て伝えた。そして、実際に出産後は家事育児をどう協力し合えるか、それも話し合いたいと。

 

最終的に昇格は今ではないかもしれない。妊活が先かもしれない…

でもそれなら出産後、また昇格を目指すことができるようにしておきたい。

満里奈の考えは、育児を優先した働き方ではなく、50:50で育児と仕事を両立させていきたいということ。そのために、夫にも同じぐらい育児と家事をして欲しいーー。

 

しかし、夫からの答えは

「もちろん、できる限りの育児家事の協力はする。ただ正直、半々どころか平日は積極的に育児家事に協力が出来るような仕事の環境ではない」

「年収が自分の方が少なかったら、もちろん半々よりも自分の方が負担する。でも、家計を考えると俺の年収が下がるなら、それは避けた方がいいのでは?」

というものだった。言い返したいことは色々あったーー。

 

女性は妊娠中も出産後も、心身ともにバランスが大きく崩れる。妊娠・出産前と全く同じ働き方にするなんて、ほとんど無理に近い。だからこそ、満里奈は本格的な妊活の前に、必死の思いで「仕事と育児を両立できる自分たち夫婦のベストな形」を追求し続けていた。

なのに夫は、自分の働き方を変えようとはしない。現状維持のつもりだ。どうして少しでも寄り添えるようにトライしてくれないのだろうか…。

仕事もキャリアアップも応援してくれるというものの、これでは本当にそう思ってるとは思えない。満里奈は、自身のキャリアアップと夫婦関係に葛藤していくのだった。


結婚後も奥さんには仕事をずっと続けてもらいたい、妻のやりたい事をずっと応援していたいー。そう考える男性の声はよく耳にする。

しかし産後の妻の働き方に関して、事前に根本的な価値観のところまで踏み込んで話すことはなかなかないのではないか。

夫が自分のキャリアを応援してくれていると思っていたが、妊活のタイミングで意見が合わなくなる…今回のようなケースは、結婚後に働く女性がぶつかる壁の1つかもしれない。

育児と仕事における両立の不安は、きっといつまでもつきまとう。出産後は、不安から具体的な悩みに変わるだけで、ずっと付き合っていかないとならないものだろうー。だからこそ、一番近くにいるパートナーとは、信頼関係を築いきたい。多くの働く女性がそう思っているはず。

次回の満里奈のエピソードは、キャリアアップと夫婦関係について、ここからどう折り合いをつけ、歩み寄っていったかを紹介します。