ママを苦しめる“べきおばけ”。産後うつや職場復帰後のメンタル不調を防ぐには

10人にひとりに発症する可能性があるといわれる「産後うつ」は、ホルモンの変化で片付けられることが多い。実際は、それだけでなく出産による身体的疲労、子育てへの不安、授乳による睡眠不足といった色んな要因が重なることも影響していると考えられている。

そして驚くことに、妊産婦の死因の第一位は、産後うつなどのメンタル悪化による自殺であるという結果も出ているのだ。

妊産婦の死因、自殺がトップ 産後うつでメンタル悪化か

この産後うつが悪化すると、子どもへの虐待に繋がりかねない…と「待ったなし」で全国で警告が鳴っている現在、産後ケアに力を入れる自治体も増えてきている。

〜すべき志向からの脱却

それでは私たち女性が、産後うつや職場復帰後のメンタル不調を、事前に防ぐ方法はないのだろうか。

日本では「母親は〜すべき」という固定観念や完璧主義志向が強いため、子育て中の母親が苦しんでいるとNHK NEWS WEBでも特集されている。

その記事内では、恵泉女学園大学学長の大日向先生が「母親が一人ですべき」は、決しておばけではなく日本経済が成り立つために不可欠なモデルだったと指摘し、以下のようなコメントを述べている。

他人の期待に翻弄されている「べき」と自分がやりたい「べき」の違いを見極める作業を通して、「おばけ」ととらえるのではなく、具体的に何に捕らわれているのかを分析することが有効

(中略)

なぜ今、子育てがつらいのか、なぜ夫が育児ができないのか。それをきちんと社会問題として分析して考えてみましょう。そして声を上げてください。一人で戦わなくていいんですよ。同じ状況の人がいっぱいいますから。“私事を社会事とする”ことです

引用:ママを苦しめる“べきおばけ”

自治体の取り組みを知る

例えば世田谷区では、産後ケア事業というものがある。産院から紹介され、筆者も利用したことがあるが、助産師が24時間常駐し産後の母親の心身の疲れをケアするショートステイやデイケアを行っている。栄養バランスの配慮された食事が3食用意され、3時間毎の授乳以外は助産師に任せて、しっかり産褥期の母体を休ませることが出来る。

妊産婦の心、連携し支える

こちらの記事でも世田谷区の産後ケアセンターが詳しく紹介されていたが、区営の産後ケアセンターはまだ都内でも少ない。自分の住んでいる地域では、どんな取り組みをしているか、妊娠期から調べておくといいだろう。

職場復帰後に想定される、心身にまつわる不調を知る

Mrelationsでは、産休のプレママや育休中のママの参加も多く、いつか訪れるであろう“壁”についてナレッジシェアをしながら、事前に対策できることは手を打っているコミュニティメンバーが多い。

「育児と仕事の両立」については、自身の働き方だけでなく、夫の働き方など家庭環境にも左右される。そのため、近しい働き方や家庭環境にいる先輩ママに「想定される壁」をヒアリングしておくのも良いだろう。そして、「我が家だったら、どう解決するか」を夫婦でしっかり考えておくことが重要だ。

不安を感じているのは、自分ひとりではない

育児や仕事との両立について不安を感じていたり、悩みを抱える母親は、決して自分ひとりだけではないということを頭の隅に置いておいてほしい。そして24時間休みのない仕事がないように、少しでも「ママを休憩する時間」を作ることをおすすめする。

たとえば予定がなくても、カフェでぼーっとひとり時間を過ごすだけでもいいかもしれない。普段は育児と仕事の両立で考える暇もないような「自分」について向き合うことも、時には必要。

そして最後に、すべてのママへ、感謝と元気、そして希望を届けるドキュメンタリー映画「ママをやめてもいいですか!?」の予告映像を紹介したい。

今まで日本では、子育てに密着したドキュメンタリー映画は、ないのではないだろうか。筆者もこの予告動画を観ただけで、くすっと笑えて、そして「自分だけではないんだ」という安堵や共感した場面も多く、ほっこりとした気持ちになった。子育て中のママたちに、ぜひおすすめしたい。

映画「ママをやめてもいいですか!?」