会社員が「場所や時間に縛られない働き方」を実現できるのか

日経ARIAと日経ビジネス共同主催のイベント、NEXT WORKING STYLE NIGHT for WOMAN 「働き方改革は個人の意識とスタイルから」に参加。あるセッションで、全社員にテレワークを導入し実践している企業の実例の話があり、非常に興味深かった。

産後の働き方に関して、会社と交渉中のワーママ の交渉材料にもなると思うので、要点をまとめてお伝えします。

本セッションのナビゲーターは、あのクリス智子さん。
登壇者は、ブイキューブのマーケティング本部の山田陽一さんと及川愛さん。

ブイキューブでは、スローガン「オレンジワークスタイル」を掲げており、全社員コアタイムなしの「コアレス・スーパーフレックスタイム制」を導入しており、6:00-21:00の間で、クラウドで出勤・退勤をポチッとするだけで管理されるそう。

●テレワークを実施してぶつかった課題

2010年にテレワークを開始したが、当時の利用者は対象社員の3割。理由は、週1回までの利用、など制限されていた。そこから実際にいくつかの規定を改定した、とのこと。

今では、回数制限なしで誰でも利用できる制度となり、昨年のテレワーク・デイは9割以上の社員が取得、マーケティング本部では常に3割くらいの社員が毎日取得しているそうだ。

また、会社できちんとテレワークのガイドラインを冊子で配布していて、誰でもテレワークを始めやすい環境が整っている。

そして社長自らが率先して実践しているそうで「誰でもやっていいよ」という風土を作り、文化醸成しているのだ。

経営トップが実践していると、社員も使いやすいですよね。

そして驚くのがテレワークを導入していても、マーケティング本部の商談数は、前年比209.6%上昇(2018年度下期)!!!

テレワークをしているから効率が悪くなるということはない、と証明できたという。

この結果は、各企業でテレワークを導入してみようかな?という、良いきっかけになるのではないないか。

●お二人の働き方
・山田陽一さん
ほぼテレワークで、月2~3回出社をしているそう。フルタイムの8時間勤務だ。

テレワークのポイントは、移動時間がないので、その時間を育児や家事、仕事と自分のその時の優先順位で時間を有意義に使えること。

移動時間がなく効率が良いので、自分の時間がもてることが良いそうだ。その時間で、自身のスキルアップや、忙しいと忘れがちだが自分を見つめる時間もできた。

出社しない分、社員とのコミュニケーションは、チャットツールですぐ話せるので、コミュニケーションロスはない。

・及川愛さん
週2〜3回テレワークを利用し、7時間の時短勤務。
山田さんと同様で、オフィス出社のときは、9:00-16:30だが、テレワークだと移動時間がないので9:00-17:30といつもより1時間長く仕事ができるそうだ。

2012年に夫の転勤で広島でテレワークを開始しキャリアを継続した及川さん。東京に戻ってきてからは、出勤とテレワークを併用している。

コミュニケーションでいうと、及川さんは「空間共有」をしているそう。離れた拠点間同士でも、空間を共有することを目的にテレビ会議を常時接続することを開始。

「おはようございます。今日こんなタスクが出そうです~」などの朝会もオンラインでしたり、ちょっと5分話したいときも、一声かければすぐに会話が可能だ。

空間共有をしてからは、「テレワークだと状況がよくわからない」などという否定的な意見がなくなったそう。

そして及川さんもテレワークのメリットは、やはり移動時間がないこと。その時間をどこにあてるかは、自分次第。進級などで子どもにケアが必要な時期は早めにお迎えに行けるし、仕事が月末で立て込んでいるときは、仕事に当てられる。

●今後の社会における働き方について
子育てや親の介護、家庭の都合で遠隔地からのテレワークをしたい人などはたくさんいる、人材の流出もテレワークがあれば止めることができると思うので、もっと導入拡大していくと思う。

男性のテレワークは珍しいのかという問いに対して、山田さん自身、自分では珍しいとは思っていないが、まわりでは「テレワーク=女性」、「育児=女性」の考え方が強い。

「仕事をしないニートがいるなら、育児をしないなら育児ニートになるのでは、と思う」という。テレワーク導入企業が増えれば、育児ニートも減らしてけるのではないだろうか。

及川さんは、次の4月からお子様が小学校入学だそうで、小1の壁をどう乗り越えるか?が目下の課題。そこで乗り越えるための選択肢の一つの手段として、テレワークがあると良いなと思うということだった。

●考察
お二人が共通して仰っていたのは、あくまでもテレワークは一つの方法ということ。
必ずしもしたほうがいい、ということではない。また、目的がテレワークになってしまうとよくない。

目標を達成するための手段だということだ。その人のワークライフバランスが、テレワークを導入することで良好になるなら使った方がいいのは、間違いない。

さらにもうひとつ、お二人で共通していたのは、テレワークのメリットとして、時間配分・バランスが自身でコントロールできるということ。

働き方改革を大々的に導入・実践しているブイキューブさんの事例は、私たちワーママが育児とキャリアアップを両立する上でぶつかった際に、会社との交渉材料にもなるのではないか。