ライフイベントによる働き方の変化〜ケースを知り未来を考える〜

国際女性デーから始動した「WomanWorkLifeHack(以下、WWLH)」の2回目のイベントを開催。ミレニアル世代の働くママやこれからライフイベントを迎える働く女性が集まり、育児と仕事の両立を実践するゲストにリアルな質問をぶつけていきました。

<モデレーター>

■信澤みなみさん

人が心身共に健康で、自分らしく生きる・働く社会を創る”ため活動中。

「新しい働く価値観を創出する」株式会社サーキュレーション創業に参画。経営者様向けにプロシェアリングによる経営コンサルタント、人事部の立ち上げに従事。 経済産業省からの受託事業「女性復職支援」プロジェクトを始め、社会課題に取り組むため、ソーシャルデベロップメント推進室を立ち上げ。責任者として活動中。WWLH立ち上げメンバー。

<パネラー>

■毛利優子さん

プロ人材シェアリングCARRY ME マーケティング責任者。

大学在学中に第1子出産、子育てと就職活動を同時進行で進め、大手監査法人へ就職。その後27歳でITベンチャー企業へ転職し、念願だった働くママを応援するサイトをリリースする。

第1子が小1の壁にぶつかると同時に独立。フリーランス・個人事業主・キャリアのある子育て中ママ向けに企業のお仕事をマッチングさせるCARRY MEのサービス立ち上げに参画。長男(小6)、長女(小4)、次女(小3)、三女(1歳)の6人家族。

■志賀祥子

東京都出身。大手金融機関を経て、大手上場企業にて社長秘書と広報を兼任。その後、ベンチャー企業の広報責任者として数社の広報部門の立ち上げや再構築に従事。企業に適した広報戦略の企画立案など幅広い経験を生かし、2015年にフリーランスとして独立し、2019年に株式会社MaVieを設立。プライベートでは2017年に出産し一児の母であり、2018年ミレニアル女性のライフワークスタイルコミュニティ”M relations”を設立。2019年、WWLHを信澤みなみさんと立ち上げ。


イベント前半はインプットセッション。

■「仕事を続けたい」という思いと育児のバランス

信澤さん
「産後に育児と仕事を両立する上で、ぶつかった壁はありますか?」

志賀
「会社員時代に、産後は子どもとの時間を優先したり柔軟に働きたいと思い、産後を見据えて早めに独立しました。フリーランスになって数年で妊娠・出産し、産後半年間は家で仕事をしながら、業務量は様子を見て調整していました。

両立する上でぶつかった壁は、子どもが保育園に入ってからです。これから仕事を増やしていこう!とやる気も漲っていたときに初めての壁にぶつかりました。

これはお子さんがいる方ならみなさん経験があると思いますが、保育園に入ってから子どもは免疫をつけるために熱を出す頻度がすごく多くなる時期があります。1つ病気が治ったらすぐ別の病気に…と最初の半年間はそんな状況でした。幸いなことに、クライアントの理解もあって乗り越えられました」

信澤さん
「産後はどのように業務量を調整していたのでしょうか」

志賀
「子どもの昼寝時間などスキマ時間にうまく時間を使って仕事をしていました。かといって自分もまともに睡眠も取れない日々ですので、無理をしない程度に業務量を絞りましたね。私は仕事することがとても気分転換にもなりよかったです。ミーティングは基本オンラインで実施していました」

信澤さん
「パートナーの協力は得られましたか」

志賀
「私は出産後も事業を継続したいと思っていたので、妊娠中から産後のイメージは伝えていたのでとても協力的でした。最初は、根本的なところから伝えていきましたね。たとえば、「生後数ヶ月は24時間のなかで3時間毎に授乳が必要なんだよ」という育児情報や、産後の生活を想像して準備してもらうために「数ヶ月は私がきちんと家事をする余裕はないかも」と言い切ったり。笑 」

信澤さん

「なるほど、意識を変えていったんですね。パートナーの協力があるとはいえ、育児と仕事の両立の中での苦労や気持ちの葛藤などありましたか。」

志賀

ありました。産後半年はほぼオンラインで仕事していたので、ビジネスとして外との関係わりが少なく、社会から置いて行かれている感覚がありました。今思えば、産後すぐに仕事をしているので、そんなこと心配をする必要はないと思うのですが。。笑

また産後は一時的に体質が変わるので体調を崩しやすかったりもします。子どもが保育園に入り、自分の身ひとつで外に出られるようになったときに、同世代の働くママたちを集めたコミュニティ「Mreations」を立ち上げたんです。コニュニティに集まった先輩ママや同じような働くママたちと情報交換をすることで、自分のなかの葛藤も溶けていきました

信澤さん

「自らコミュニティを立ち上げ外とつながることで、情報交換を通して整理されていったんですね。」

■ぶつかる“小1の壁”。一緒にいる時間の作り方

毛利さん

「4人もいるので、色々ありましたが、大きな壁は2つです。

1つ目は大学時代に長男を出産して、社会人になったときには既に子供がいたので、裁量のある仕事が任せてもらえなかったことです。もっと裁量のある仕事にチャレンジしたい思いつつも、働ける時間が限られているので葛藤していました。

2つめは、いわゆる『小1の壁』。保育園よりも親の調整が必要なことが一気に増えて、仕事との調整が大変でした」

信澤さん

「毛利さんは正社員として働きながら育児されていましたよね。正社員として働きつつ育児する中で意識されていたこと何かありますか」

毛利さん

「事務的なお仕事が多く、将来のキャリアにはずっと不安を抱いていたので、通勤時間などを活用して本を読んだり、新しいスキルの習得のための勉強をしました。結果的にTOEICの点数をあげたことで、希望部署の異動を実現できました。

あとは、日々の業務を数字などの客観的な評価に置き換えることに気をつけていました。請求書作成などの単純な作業でも、「月●件の請求書を担当し、部署内でのマニュアルを作ることで20%の効率化を実現した」など数値化することで、ただ「頑張っています」と主観で伝えるよりも、評価につながりやすくなったと思います」

信澤さん

「やりがいのない仕事でも、今後やりがいのある仕事をするために、ただの作業ではなく実績を作れるように頑張ったということなんですね。「小1の壁」についてはどうでしょう?」

毛利さん

「子供が小学校に上がると、保育園よりも預かり時間が短くなってしまうんですよね。学童には入れたのですが、お迎えは18:00まで。当時、通勤時間が2時間弱かかって、お迎えの時間に間にあわせるために朝早く家を出ていたのですが、そしたら娘たちが朝スカートを引っ張って泣くようになってしまって・・・。いま、一緒にいてあげないと、後々後悔するだろうと思い、会社員ではない働き方を考えるようになりました」

信澤さん

「今だから言える、こうしていればよかったな、ってありますか?」

毛利さん

「小さな子どもがいながらの転職活動は本当に大変でした。いまは働き方が本当に多様化しているので、正社員以外にも、パラレルキャリア、複業など色々な働き方を選択肢に入れると思います。もっと柔軟な働き方を選べるようになれば、子育て中のママも含めてもっと色々な人が活躍できるのはないかとおもっています。そういった想いもあって『キャリーミー』というサービスの立ち上げに参画しました。」

信澤さん

「なるほど。子供ともっと一緒にいてあげたい、でも仕事があって一緒にいてあげられない。そんな時にすぐやめるのではなく、子供には少し待ってもらって、働き方を模索して、子供との時間をつくれるようにする、という選択があるということですね。」

■活発なQ&Aセッション

後半はQ&Aセッション。まずは同じ悩みを抱える人同士で分かれ、ゲストに聞きたいことをまとめていただきました。

そしてゲストに質問をぶつけていきます。

Q.フリーランスになったときに仕事を依頼してもらえるにはどうしたらよいのでしょうか。また何を基準に自分はフリーランスになっても大丈夫だと判断したのですか。

志賀

「私はこれまで広報として、スタートアップ、上場ベンチャー、大手のすべてのフェーズを経験したことが、強みになると気付いたときです。その頃には、広報について他社の経営者や広報担当の方から相談を受ける機会が増えていました。」

信澤さん

「積極的に「フリーランスになるんです」と周知をはじめていたんですよね。会社を辞めても相談したいといってもらえるようなお客さんを作ってた印象があります。」

Q.会社員として、漠然と将来が不安です。今の仕事は楽しいしやりがいを感じています。今の会社で仕事を続けていきたいのですが、男性社会でロールモデルもおらず、育休・産休のイメージが湧きません。

志賀

「私もロールモデルはいなかったので、いろんな女性のキャリアのケースを聞きながら、自分にも適用できそうなことをパズルのピースのように集めていきました。そのように社外のいろんな女性を知る機会を増やしてもいいかもしれません。

また男性が多い組織で初の産休・育休を取得するのであれば、むしろラッキーだと思います。「自分がロールモデルになり、制度を作る」という気持ちでやっていくと良いと思います。」

毛利さん

「日々の仕事を「見える化」しておくことはおすすめです。。日々の業務をマニュアル化したり、タスクをExcelなどで一覧化したおくと、産休や育休のときに引き継ぎがスムーズになります」

信澤さん

「5,000人規模の企業でファーストペンギンになった友人は、「私が欲しいを全部つくる!」という気持ちだといっていました。ないことを不安に思う必要はないと思います。自分のやりたいことを実現させる強さ、あとは行ったときに実現しやすい関係性を築いておくことを意識すると良いのではないでしょうか」

Q.独身であったり、子どもがいない時期にやっておいたほうがいいことを教えてください。

志賀

「今後のキャリアや理想の働き方をまず考えることです。そこから逆算して、自分が理想とするキャリアになるために今やるべきことや、挑戦したい仕事にまずは副業でトライする、など少しずつでも行動をしておくとよいと思います」

毛利さん

「組織を超えて役立つポータブルスキルを身に着けるといいと思います。「どんな企業の、どんな課題を、あなたのどんなスキルで解決できるのか?」を明確にする事が大事だと思います」

Q.今後のキャリアプランについて教えてください

志賀

「子育てしながら動けるキャパがどうしてもあるのですが、ありがたいことに産後はビジネスパートナーが増えました。今年は会社を設立したので、運営してるコミュニティや女性活躍支援も力を入れていきたいと思っています」

毛利さん

「キャリーミーは現在登録者が4000名程度ですが、サービスをもっと広げることで、やりがいと柔軟な働き方を両立できる社会にしたいです。またそこで培った学びや経験を情報として体系化して、届けられるようにしたいと思っています」



総括

他にも多数の質問をいただき、大盛況に終わりました!

参加者の大多数がこれから結婚・出産を迎える世代。みなさん今からやるべきことを見据えて動こうとしている意欲をとても感じました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。